家を探すとき、普通ならリビングやキッチン、寝室に目が行きがちだ。けれど僕がこの家を選んだ理由は、他のどれでもなく、リビングから続く一つの廊下だった。 その廊下は、特別広いわけでも、何か豪華な装飾があるわけでもない。けれど、初めてこの家を訪れたとき、リビングのドアを開けた瞬間に目に飛び込んできたその光景に、心が掴まれた。右側の窓から差し込む柔らかな光が廊下全体を包み込み、左へ、奥へと静かに流れていく。その光の筋は、どこか神秘的で、まるで自分を導いてくれるような、不思議な感覚を覚えた。 廊下の先には、小さな部 ...