2024年10月、macOS 15「Sequoia」へのアップデート後、多くの写真家がテザー撮影の問題に直面しています。特に、Capture Oneでのカメラ認識の不具合は、スタジオ撮影やプロジェクト現場でテザー撮影を活用している人にとって、大きな悩みの種となっています。僕もこの問題に遭遇し、ワークフローに支障をきたしていました。
今回は、Capture Oneで発生しているテザー撮影の不具合について、その解決方法を見つけたので紹介します。僕自身、いくつかの方法を試しながら原因を探り、最終的にmacOSの設定を調整することで改善することができました。同じように悩んでいる方の参考になればと思います。
さらに、Lightroomを使用している方にも、似たような問題が報告されています。この記事では、Capture Oneに加え、Lightroomでの問題とその対処法についても触れていますので、最後までチェックしてみてください。
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テザーがつながらない、問題の背景
macOS 15.0.x Sequoiaにアップデートした多くのユーザーから、「Capture One」や「Lightroom Classic」を利用したテザー撮影ができないという声が相次いでいます。この不具合は、特にAdobeから公式発表があったCanon製デジタルカメラとLightroom Classicとの互換性問題として注目されていますが、実際にはCapture Oneや他社製デジタル一眼レフカメラにも同様の影響が及んでいることが確認されています。
僕自身、この問題に直面した時は、「またか……」とがっかりしました。新しいmacOSにアップデートするたびに、便利な機能と引き換えにこうしたトラブルが起こるのは避けられない部分かもしれませんが、それでも普段の撮影ワークフローが止まるのは辛いものです。特にテザー撮影を中心にした作業では、この問題は見過ごせません。
Phase Oneのエンジニア、Frank Schroeter氏によると、この問題はmacOS 15 SequoiaにおけるUSB接続時のデジタルカメラ認識に関するアクセス権の設定が原因である可能性が高いとのことです。聞いてみると技術的な話としては納得できますが、それでも「どうして事前に対策してくれなかったのだろう」と思わずにはいられません。
毎回、OSのアップデートは便利さとリスクの天秤のようなものですが、この問題は特にプロの写真家や映像制作者にとって影響が大きいと感じています。解決策があるなら、早く知りたいというのが正直な気持ちでした。
不具合の原因
macOS 15 Sequoiaにアップデートすると、一部のアプリケーションで必要な**「アクセス権」**が解除されてしまうことが判明しています。この問題は、USB経由で接続されたデジタル一眼レフカメラがMac上で認識されなくなる原因となり、結果としてテザー撮影が不可能になるケースが多発しています。
特に影響が大きいのが、「リムーバブルボリューム」へのアクセス権の設定です。富士フイルムの公式発表によると、この権限が適切に設定されていないと、アプリケーションがカメラとの通信を正しく行えなくなるとのことです。システム設定でこの権限を再調整することで解決する場合もありますが、全てのユーザーにとって簡単な作業ではないかもしれません。
僕自身、突然カメラが認識されなくなり、「何が原因なんだろう?」とかなり困りました。調べていくうちに、macOSのセキュリティ強化が背景にあると分かりましたが、「セキュリティのため」という理由でも、現場で使えない状況が続くのは本当に厳しいです。撮影の合間にシステム設定を何度も開いたり、解決策を探して時間を浪費したのは、正直なところストレスでした。
今回の不具合は、AppleがmacOSのセキュリティを強化する過程で発生したものと思われますが、その影響を受けるのは主にプロフェッショナルな現場で使われるツールです。便利な新機能を提供する一方で、こうした問題への配慮が少しでもあれば良かったと感じました。
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具体的な対処法
Capture Oneユーザー向けの対処法
macOS 15 SequoiaでCapture Oneを利用しているユーザーが試すべき対処法を以下にまとめました。
- アクセス権のリセット
- ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してCapture Oneのアクセス権をリセットします。
tccutil reset All com.captureone.captureone16
このコマンドは、macOSの「TCC(Transparency, Consent, and Control)」フレームワークを操作して、特定のアプリケーションに対するアクセス権限をリセットするものです。TCCは、アプリがMac上のデータや機能にアクセスする際の許可設定を管理しています。
コマンドの分解tccutil
:macOSに標準で備わっているコマンドラインツールで、アプリのアクセス権限を管理・操作するためのもの。通常、プライバシーやセキュリティ設定を変更する際に使われる。reset All
:reset
は指定したアプリに対する権限をリセットする命令で、All
を指定することで、カメラ、マイク、ファイルへのアクセスなど、Capture Oneに関連するすべての権限を対象にリセットを行うという意味。com.captureone.captureone16
:これはCapture Oneアプリの特定ID(バンドルID)で、macOSがアプリを識別するためのもの。このコマンドでは、Capture One 16バージョンの権限をリセットしている。
- このコマンドにより、Capture Oneが再び必要なアクセス権を要求するようになるため、接続不具合が解消される場合があります。
- ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してCapture Oneのアクセス権をリセットします。
- システム設定での権限確認
- [プライバシーとセキュリティ] → [ファイルとフォルダ] へアクセスし、Capture Oneが「リムーバブルボリューム」へのアクセスを許可されているか確認します。この設定をONにすることで、USB接続によるカメラ認識が改善されることがあります。
Lightroomユーザー向けの対処法(未確認)
macOS 15 SequoiaでLightroomを利用しているユーザーが試すべき対処法を以下にまとめました。
- アクセス権のリセット
- ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してLightroomのアクセス権をリセットします。
tccutil reset All com.adobe.LightroomClassic
このコマンドは、macOSの「TCC(Transparency, Consent, and Control)」フレームワークを操作して、特定のアプリケーションに対するアクセス権限をリセットするものです。TCCは、アプリがMac上のデータや機能にアクセスする際の許可設定を管理しています。
コマンドの分解
tccutil
:macOSに標準で備わっているコマンドラインツールで、アプリのアクセス権限を管理・操作するためのもの。通常、プライバシーやセキュリティ設定を変更する際に使われます。reset All
:reset
は指定したアプリに対する権限をリセットする命令で、All
を指定することで、カメラ、マイク、ファイルへのアクセスなど、Lightroomに関連するすべての権限を対象にリセットを行うという意味です。com.adobe.LightroomClassic
:これはLightroom Classicアプリの特定ID(バンドルID)で、macOSがアプリを識別するためのものです。このコマンドでは、Lightroom Classicの権限をリセットしています。
- このコマンドにより、Lightroomが再び必要なアクセス権を要求するようになるため、テザー接続の不具合が解消される場合があります。
- ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してLightroomのアクセス権をリセットします。
- システム設定での権限確認
- [プライバシーとセキュリティ] → [ファイルとフォルダ] へアクセスし、Lightroomが「リムーバブルボリューム」へのアクセスを許可されているか確認します。この設定をONにすることで、USB接続によるカメラ認識が改善されることがあります。
Lightroomでテザー撮影する予定が無いため試していません。ただ、このやり方でいけるようです。また、Lightroomのアップデートでも解決する「可能性」はあります。
まとめ
macOS 15 Sequoiaへのアップデートにより発生しているCapture Oneのテザー撮影不具合と、その対処法について紹介しました。「とりあえずリセットすれば良くない?」と思っていたところこちらの方法を見つけました。公式からもアナウンスされているレベルで重要なモノですが、もっと探さなくてもみれるようにしておいてほしかったですね。ちなみにCapture Oneをアップデートしない人には全くもって関係ない内容です。