先日、三重県伊勢市の「and bull」で、とても特別なライブが開かれた。主催者はDaiki Yagyu、通称「DK」。一般市民でありながら、彼の呼びかけに多くの人が集まり、and bullという空間で音楽を通じたひとときが共有された。
DKはかつて事故に遭い、首から下が動かなくなるという大きな試練に直面した。長いリハビリの日々を経て、奇跡的に歩けるようになった彼は、この経験を経て、自分の名前に込められた「貴」と「奇跡」を組み合わせた「奇貴」という名で活動し、台湾茶の提供を始めた。
僕がDKと出会ったのは、彼が事故を乗り越え、歩けるようになった頃だった。場所はand bull。初めて彼に会った時、「なんだこの面白い人」と思ったのを覚えている。王子っぽい雰囲気があって、どこかジャニーズのケンティーを思わせる風貌。それが写真映えするから面白い。後から聞いた話では、本人もケンティーを意識しているらしい。and bullは、そんな特別な人たちが自然と集まる場所で、そこにいるだけで何かが起きる、そんな空間だ。
DKがライブを開くと聞いた時、「一般市民がライブ?」と正直驚いた。ライブ当日、どれくらい人が集まるのかと思ったら、予想を超える数の人たちがand bullに足を運んでいた。謎のライブなのに、これだけの人を惹きつけるDKの存在感はやっぱりすごい。僕はライブ前にとある写真撮影を頼まれていた。その写真がうちわのデザインに使われるという話になった。ライブの本の数日前に、印刷場所がなく、僕のところに駆け込んできた時は、「本当に間に合うのか?」と少し焦った。でも、なんとか間に合わせたようだ。当日はそのグッズが会場に並び、ライブの雰囲気をさらに盛り上げてくれた。
and bullでのライブは、ただの音楽イベントではなかった。DKのこれまでの人生、そして彼を支える人々の温かさが詰まった空間だった。会場には笑顔が溢れ、彼の周りにいる人たちがどれだけ彼を愛しているのかが伝わってきた。彼が人に愛される理由は、その明るさや人懐っこさ、そしてどこか親しみやすい雰囲気にある。一般市民のライブという枠を超えて、多くの人を引き寄せたのは、彼自身の持つ魅力と、それを包み込むand bullという空間の力だったのかもしれない。
今回のライブで改めて感じたのは、and bullという場所の素晴らしさと、DKの人を引き寄せる才能。写真撮影を通じてその一瞬一瞬を切り取れたことが嬉しいし、あの場にいられたことが何よりも幸せだった。奇跡から始まったこのライブ。and bullで響いた音楽と人々の笑顔は、きっとこれからも語り継がれていくだろう。DK、そしてand bullに感謝。こんな夜がまた訪れることを願っている。
実は最後、DKを含めてたくさん写真を撮らせていただくことができた。ちょうど現場にプロの写真家、キアラさん(@kiaraiizuka)がいて、彼のプロ用ライティング機材を借りながらバシバシ撮影させてもらった。そのおかげで、普段は撮れないようなクオリティの写真が仕上がった。あの場にいた全員の表情が本当に生き生きとしていて、これからも大切にしていきたい瞬間の数々だった。
最後はみんなで記念撮影
補足
DKについて
Daiki Yagyu、通称「DK」は、事故を乗り越えた経験から「奇跡」と本名にある漢字「貴」の二つの意味を込めた「奇貴(きき)」というブランドという名前で活動している。台湾茶を提供する活動を中心に展開していて、Instagramアカウント @_ki_____ki でその世界観を発信している。独自の視点で作り上げたビジュアルや投稿は、台湾茶の魅力だけでなく、彼自身のストーリーを感じさせるものになっている。
and bullについて
三重県伊勢市にある「and bull」は、古道具やアート、音楽が交差する特別な場所。オーナーのセンスが作り上げた空間は、人が自然と集まり、新しいつながりや発想が生まれる場になっている。今回のライブも、and bullの持つその独特の雰囲気があったからこそ実現したと言える。Instagramアカウント @and_bull では、店内の写真やイベント情報が定期的に更新されている。