写真 読み物

写真記事、光が導く廊下とその先の静けさ

この写真は、CanonのTS-E 17mmというティルトシフトレンズを使って撮影しました。このレンズは特に建築やインテリア撮影で効果を発揮し、広い画角を保ちながらもパースの歪みを抑えることができます。廊下のラインがまっすぐ見えるのも、このレンズのおかげです。普段のレンズでは難しい視点が、この一本で簡単に実現できるのが魅力ですね。

家を探すとき、普通ならリビングやキッチン、寝室に目が行きがちだ。けれど僕がこの家を選んだ理由は、他のどれでもなく、リビングから続く一つの廊下だった。

その廊下は、特別広いわけでも、何か豪華な装飾があるわけでもない。けれど、初めてこの家を訪れたとき、リビングのドアを開けた瞬間に目に飛び込んできたその光景に、心が掴まれた。右側の窓から差し込む柔らかな光が廊下全体を包み込み、左へ、奥へと静かに流れていく。その光の筋は、どこか神秘的で、まるで自分を導いてくれるような、不思議な感覚を覚えた。

廊下の先には、小さな部屋が一つ。以前の住人がクローゼットとして使っていたというそのスペースが、今では僕の作業部屋になっている。広さは1.5畳ほど。机と椅子、撮影機材やパソコンに囲まれていて、確かに「狭い」と言えば狭い。でもその狭さが、逆に僕にとっては心地よい。自分の好きなものだけに囲まれて、必要以上のものがない空間。それはまるで、子どもの頃に憧れた秘密基地のようだ。

廊下を歩き、この部屋の前に立つとき、僕はいつも少しだけ胸が高鳴る。ここには、自分だけの空間が待っている。外の世界から少し切り離されたような静けさがあり、そこに身を置くたびに心が落ち着いていく。そんな感覚を味わえるこの部屋のことを、僕はひそかに「心の拠り所」と呼んでいる。

それでも、この家で一番好きなのはやっぱり廊下だ。光が差し込み、やさしく床を照らしながら先へと進んでいくあの風景。最初にこの景色を見たとき、僕の中には明確な言葉にならない感情が溢れていた。懐かしさとワクワク感、それに少しの安堵が入り混じったような、不思議な気持ちだった。その感覚は今も変わらない。この家に住んで日々を過ごす中で、この廊下を歩くたびに、最初に感じたあの気持ちがふとよみがえる。

廊下から部屋までの短い距離。でもその一歩一歩が、僕にとって特別だ。この道筋を通るたびに、僕はほんの少しだけ自分の世界へと足を踏み入れる。そんな空間を持てたことが、この家を選んで本当に良かったと思える理由なのだ。


撮影機材

  • カメラ: Canon EOS R5
  • レンズ: TS-E17mm F4L
  • 編集ソフト: DaVinci Resolve
  • 使用PowerGrade: Monet

この写真は、CanonのTS-E17mm F4Lというティルトシフトレンズを使って撮影しました。このレンズは特に建築やインテリア撮影で効果を発揮し、広い画角を保ちながらもパースの歪みを抑えることができます。廊下のラインがまっすぐ見えるのも、このレンズのおかげです。普段のレンズでは難しい視点が、この一本で簡単に実現できるのが魅力ですね。

Canon TS-E 17mm f/4 L

Canon TS-E 17mm f/4 L

405,785円(02/04 01:56時点)
Amazonの情報を掲載しています

Canon ミラーレス一眼カメラ EOS R5 ボディー EOSR5

Canon ミラーレス一眼カメラ EOS R5 ボディー EOSR5

447,000円(02/04 01:30時点)
Amazonの情報を掲載しています

読んでほしい

かっこいいひげ剃り探してないですか?

ドイツ老舗ブランド「MUHLE」のシェーバー

電動とかカートリッジ式の髭剃りに飽きたら読んでみて欲しいです。

LUTを20個ほど配ってます

とりあえずDavinci Resolveで使ってみて欲しいLUT配布中

LUTを20個ほど配布することにしました

LUTを20個ほど配布することにしました

BMPCC似合わせてますが全カメラでも適応可能
  • この記事を書いた人
「喫茶店の部屋」管理者@kissatenのアイコン

喫茶店

「全身性エリテマトーデス」と「両足大腿骨骨頭壊死」という病気をもつハイパー難病人で「フリーランス」しています。 伊勢志摩在住。HP製作や写真撮影、動画撮影なんかを生業にしています。 このブログで撮られている写真はだいたいEOS R5を使っています。(2021年頃より) サイトへのお問い合せやレビューのご依頼はこちらにメッセージをください。 あとYouTubeやってます。もし良かったらフォローしてあげて下さい。

-写真, 読み物
-, ,