遂に終わった。終わったから紹介する。
小学館月刊IKKIの時から拝見している野田彩子さん。彼女の描く漫画はとても僕の心に刺さってくれる。ダカラ好きで呼んでいる。
「野田彩子」名義においては、『わたしの宇宙』(全2巻/小学館IKKICOMIX)や『いかづち遠く海が鳴る』と続けて観させて頂いていて、どれもマジで好き。BL作品用の名義である「新井煮干し子」についてはまだ拝見していないが、おそらく僕に刺さってくれるマンガであると断言しておく。
そんな野田彩子さんのマンガ「潜熱」が終わった。
当初読み切りとして出された「潜熱」(そのときはIKKI)、それに新たに続編がついて、結果として単行本3冊になった。当時は「ヒバナ」(小学館)で連載していたのだが、大人の事情で「休刊」となり、実質終わり、そしてリアルタイムで「潜熱」を見ることが出来なくなった。
マンガ系アプリを介して見れるっちゃ見れるが、いやいや、紙で見たいし…ってことでいつの間にか単行本派になっている。
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コンビニバイトの大学生「瑠璃」が、毎日同じ銘柄のたばこを二つ買っていく中年男「逆瀬川」に興味を持つ。しかし、逆瀬川はヤクザだった。
女子大生×おっさんって組み合わせだけど、もし偏見があるならその垣根を取っ払ってから見て欲しいと思う。僕は好き。
背表紙にはこう書いてある「誰からも祝福されぬ関係 それでもー」。意味深だ。
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野田彩子、潜熱、完結
先に教えておく。潜熱は全3巻だ。特に財布にも負担にならない冊数なので、できればこのブログを読む前に買っちゃっても良いかもしれない。
左から、1巻、2巻、3巻という並びなのだが、どこかしら成長を表しているようにも見える。3巻に至っては女子大生というより大人な妖艶な雰囲気がバリバリだ。内容に沿っていると考えてもらって良い。
なるべくネタバレを避けて書いていきたい。
話の流れとして、瑠璃のバイト先に毎度訪れるおっさんに興味を持ち、話しかけて繋がっていく。「事務所」に赴いたり、複雑な家庭環境を知ったり、「女性を死なせた」過去を知ったり、それでも逆瀬川に瑠璃は惹かれていく。
「どうして惹かれるのか」を考えると、ギャップ萌えとかじゃないのかな?って思う。強面のおっさんが、変なストラップ付けてるし、なんか笑うとカワイイし、的な、そう言うヤツだと思う。人によって惹かれる要素ってそれぞれだから、そのあたりは瑠璃になってみないとわからない。
でも彼女はまっすぐ惹かれている。
そんな逆瀬川と身体をかわした女とボコボコとやり取りするまでが2巻。その後、瑠璃を休ませるためにホテルから始まるのが3巻。
背表紙にある「誰からも祝福されぬ関係」とは、瑠璃の友達や逆瀬川の部下達、それぞれのことだ。友達は友達として、彼女が初めて好きになった人だろうから応援したい気持ちもあるんだけど「アイツは辞めとけ」的なことを言う。そして部下は部下でおんなじようなことを思っている。
誰からも祝福されない。
それでも瑠璃のまっすぐとした気持ちは逆瀬川に向けられている。そして逆瀬川も受け止めている。
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めっちゃ潜熱3巻をまとめてみる
3巻は、元嫁さん登場で瑠璃を半ば拉致、逆瀬川と小旅行、アイツ再びの豪華3本でお送りしております。
「この終わり」は正直想像してなかった。「うやむやかなー?」って思ってたけど、ここまではっきりと二人の結末を教えてくれたのは嬉しいなって思った。
終わらせ方として、エピソード19で終わるっていう方法もあったはず。でも、しっかりその次の「ラストエピソード」を書いてくれた野田彩子さんに感謝したい。
「新井煮干し子」名義のマンガも読まねば…。